【宇宙の神秘】実はビックバン直後には水が溢れ、生命が誕生していた可能性があるとの研究結果

[2501.02051] Abundant Water from Early Supernovae at Cosmic Dawn
https://arxiv.org/abs/2501.02051

宇宙初期に意外と早かった水の誕生

最近の研究では、ビッグバンからわずか100〜200万年ほどの時期に、巨大な恒星が超新星爆発を起こして大量の水を生み出していた可能性が示されています。従来、水などの分子は重元素が増えたもっと後の時代に形成されると考えられてきました。しかし、初期世代の星(第III世代星)の爆発時に生じた高温高密度の環境で、酸素と水素が効率よく結びついたとみられています。

生命への広がる期待

水は生命活動の基盤となる分子なので、これほど早期に豊富に存在していたとすると、生命が宇宙のごく初期から生まれるチャンスがあったかもしれません。実際に生命が誕生したかは未知数ですが、少なくとも「生命に適した環境」が予想以上に初期から整っていた可能性が高まります。

化学進化を再考するヒント

この発見は、宇宙での元素や分子の増え方に関する従来のモデルを大きく塗り替えるかもしれません。水分子だけでなく、他の有機分子が早い段階で形成されていた可能性もあり、生命の素材が宇宙全体に広くばらまかれていたと考えられます。

これからの観測に注目

今後はジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡などを使って、初期銀河や金属がほとんどない星の周辺から水の痕跡を探る観測が進む見込みです。もし初期宇宙に水が確かに広がっていたと証明されれば、生命が宇宙で普遍的に生まれうるという考えに強い後押しとなりそうです。これから明らかになる新事実が楽しみですね。