村田製作所、AI向けの電子部品で需要が爆伸び。日本のAI産業発展に期待

AIで沸騰するデータセンター投資

近年、AIの進化によってデータセンターへの投資が急速に拡大しています。かつては地味な存在だったデータセンターが、一国の安全保障にも関わる重要インフラへと変貌しているのです。そこでは、高性能サーバーが膨大な電力を消費し、その分だけ多くの先端電子部品が必要になります。

爆発的に伸びるMLCC需要

AIサーバー1台に搭載される積層セラミックコンデンサー(MLCC)の数は、従来型サーバーの5〜10倍、1万〜2万個ほどとされています。スマートフォンに使われる数(1000〜1400個)と比べても、その多さは明らかです。MLCCは電圧を安定化させ、ノイズを除去する縁の下の力持ち的な部品ですが、AIサーバーの性能を左右する重要パーツでもあります。

村田製作所の強み

村田製作所はMLCCの主要メーカーとして、高い技術力と生産能力を武器に世界的なシェアを確保しています。さらに、5G通信や自動車分野など幅広い応用先を開拓し、需要変動にも柔軟に対応できる体制を整えています。サプライチェーン強化や生産拠点の拡充にも積極的で、急増するAI関連需要をしっかり取り込もうとしています。

エッジAIモジュールにも注目

同社は、AIチップを搭載したエッジAIモジュールの開発にも力を入れており、4TOPS(1秒に1兆回)もの演算を2W以下の低電力でこなす技術を実現しています。高効率な放熱設計やノイズ対策で、冷却ファンなしでも安定動作が可能です。IoT機器をはじめ、さまざまな現場でのAI活用が加速すると期待されています。

今後の展望

ライバル企業との競争や資源コストの変動などリスクもありますが、AI関連市場はますます拡大が見込まれます。村田製作所はMLCCからエッジAIモジュールまで多彩な技術を活かし、これから訪れるAI時代を支えるキープレイヤーとしてさらに存在感を高めていくでしょう。