2032年の衝突説は本当? 小惑星2024 YR4を徹底解説

小惑星「2024 YR4」は、2024年12月27日にチリにある望遠鏡で発見されました。推定サイズは直径40〜100メートルほどで、大型ビルに相当する大きさです。見た目だけを聞くと「そんなに大きいの?」と驚くかもしれませんが、実際これだけのサイズが高速で衝突すれば、かなり深刻な被害をもたらす可能性があります。

衝突の可能性と衝突日

現在のところ、2032年12月22日に地球に衝突する可能性が約1.2%(1/83)とされています。逆にいえば99%近い確率で安全に通過すると予想されているわけですが、それでも1.2%という数字は少し気になるところ。専門家たちはこの可能性を「注意すべきレベル」として捉えています。

もし衝突したらどうなる?

衝突が起きると考えた場合、衝撃による被害範囲は衝突地点から最大で50キロメートルに及ぶ可能性があります。衝突時の速度は秒速約17キロメートルにも達するとされ、爆発規模は広島型原爆の500倍相当との推定もあります。都市部に直撃すれば大規模な建物の破壊や火災が想定され、もし海に衝突すれば津波が起こり、広範囲にわたって被害が及ぶ恐れもあるといわれています。

トリノスケールでレベル3

小惑星の衝突リスクは「トリノスケール」という基準を使って評価されます。2024 YR4は現時点でレベル3に分類されており、これは「10年以内に衝突する可能性があるため、一般の人や政府が注意を払うべきレベル」です。とはいえ、過去には観測データが増えるにつれてリスク評価が下がったケースも多く、今回も今後の観測で確率が大きく変わる可能性があります。

今後の観測とリスク評価

NASAや欧州宇宙機関(ESA)などの国際機関が、この小惑星の動きを注視しています。いまは1.2%という数字ですが、さらに詳細な軌道データを収集することで、衝突確率が下がるかもしれません。研究者たちは、より正確なデータが集まるにつれて予測精度も上がり、場合によっては衝突リスクがゼロに近づく可能性があるとしています。

まとめ

小惑星2024 YR4は、2032年にごくわずかな確率で地球に衝突するかもしれない天体として注目を集めています。とはいえ、衝突の可能性が1.2%というのはそこまで高い数字ではなく、今後の観測次第で状況が変わる可能性も大いにあります。 とはいえ、一度衝突が現実となれば甚大な被害が予想されるため、国際的な協力のもとリスク評価を続けることが重要です。今後の新しい情報にアンテナを張りながら、最新の観測結果やNASAなどの発表をチェックしていきましょう。